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お役立ちコラム

火災保険の対象は住宅だけじゃない?法人向け火災保険のポイントを知ろう


一般住宅用の火災保険はよく知られていますが、法人向けの火災保険があることはご存じでしょうか。法人向けの火災保険では、法人の建物・設備・什器備品のほか、商品・製品などの被害を補償するもので、休業被害など法人ならではの被害への備えとなる補償もあります。法人の事業内容や所有物件によって補償内容のカスタマイズも可能なので、加入前にその概要を把握しておきましょう。

法人向け火災保険の補償内容

法人向け火災保険では、法人が所有している建物や設備・什器備品、商品・製品など屋内・屋外を問わず敷地内になるものが保険の補償の対象となります。その中から補償が必要なものをセレクトして、それぞれに保険金額を設定して契約します。ここで注意が必要なのが、委託商品や倉庫業者等が管理している第三者の所有物です。火災保険では、あくまで自社の所有物が補償の対象になりますので、第三者の所有物については、預り品を補償する「受託物賠償責任保険」など別途の補償が必要になります。

保険金額はどう設定するのか

法人向けの火災保険については、保険金額は再調達価額(「新価」ともいい、同等のものを新しく建築・買替するのに必要な金額)で設定するのが一般的です。そして、実際の損害額が支払われる「実損払い方式」で加入しますが、保険金額が評価額と一致していなければ十分な補償とはいえません。評価よりも高い金額で設定されていると保険料を払いすぎる「超過保険」という状態になってしまいますし、評価よりも低い金額で設定されていると被害を受けたときに実損被害額の全額に及ばないことがあります。一方、保険料を下げるためにあえて評価額よりも低い金額を設定するという方法もありますが、安心できる補償にはなりませんので、正しい再調達価額で契約することをおすすめします。

具体的な補償内容

火災保険では、基本補償である火災、落雷、破裂・爆発などの被害のほかに、様々な被害を補償してくれます。以下、主な補償内容です。

●火災、落雷、破裂・爆発…業務中の火災や爆発による工場の損壊、落雷による機械の被害などを補償します。
●風・雹・雪災…台風や竜巻など強風による建物の被害や、大雪で工場の屋根がつぶれた、雹で屋根に穴が空いたなどの被害を補償します。
●水災…洪水や土砂崩れのほか、集中豪雨による店舗への床上浸水などの被害を補償します。保険会社やプランによって、床上浸水などの条件が違うので確認しておきましょう。
●盗難、水漏れ、物体の落下・衝突など…泥棒被害によるドア・窓ガラスの破損、設備の盗難、道路を走行中の自動車が店舗に衝突したなどの被害を補償します。商品などの盗難補償については、プランによって補償対象外となることがあるので注意が必要です。
●破損・汚損…商品を移動中に倉庫が汚れてしまった、作業中に器具を壁にぶつけて穴をあけてしまったなど、偶発的・突発的な被害を補償します。
●電気的・機械的事故…落雷による過電流で設備が壊れてしまったり、リフトが何らかの原因で故障して動かなくなったりした場合の被害を補償します。ただし、経年劣化や金属疲労、虫食いなどが原因の場合は保障の対象外となります。

これらの補償を自由にカスタマイズできる商品もありますし、一定の補償をセットでプラン化した商品もありますので、自社に合った火災保険の契約をしましょう。また、火災保険の基本補償では、地震・噴火・津波が原因の被害は補償の対象外となります。事業の専用物件の場合は原則的に地震保険に加入することができないので、地震危険補償特約でカバーすることになります。事業用で居住部分がある物件は、後述する地震保険に加入できますので、火災保険とセットで加入することを検討しましょう。

特約が充実しているのが特徴

火災保険は特約が充実しているので、自社の状況に合った契約にカスタマイズすることが可能です。法人の財産の補償はもちろんですが、被害が発生した場合の費用や本来出ているはずの利益の補償、賠償責任を負うことになった場合の補償など、幅広い特約が用意されています。

●費用保険金
各種費用保険金は、損害保険金(いわゆる「保険金」と呼ばれているもの)が支払われる際に支払われます。自動セットされている保険もありますし、カスタマイズで付加する保険もあります。主な費用保険金には、以下のようなものがあります。
・臨時費用保険金…臨時に必要な費用を補償します。
・修理付帯費用保険金…建物の復旧のために生じた損害原因調査費用など保険会社が認定した費用を補償します。
・損害防止費用保険金…火災、落雷、破裂・爆発の事故の被害の拡大を防止するために使用した消火薬剤の再取得費用などを補償します。
・処置費用保険金…保険会社が指定する災害復旧専門会社によるサビや腐食などの被害の発生及び拡大を防止するための費用を補償します。
・失火見舞費用保険金…火災、破裂・爆発事故により、第三者に被害が及んだ場合の見舞費用を補償します。
・残存物取片付け費用保険金…被害を受けた対象の残存物の片付けに必要な費用を補償します。
・地震火災費用保険金…地震・噴火・津波による火災で建物が半焼以上になった場合などに一定の保険金を補償します。

●休業損害の補償
法人向け火災保険ならではの補償といえば、火災保険の補償内容による被害で休業することになった場合の補償です。収益の減少分の補填や、休業中でも支払う必要がある人件費などの固定費や仮店舗の費用などを補償します。また、仕入れ先や納品先が被害を受けて休業した場合の補償をする保険もあります。

●家賃・家主費用の補償
不動産賃貸業を営んでいる法人の場合、賃貸している建物が火災や自然災害により家賃収入が途絶えた場合、家賃の損失を補償するものです。また、住宅物件で入居者が死亡した場合など「事故物件扱い」になった場合の家賃損失や原状回復費用についても補償ができます。

●賠償責任補償特約
保険会社によっては、火災保険に各種賠償責任補償特約を付加できます。主な賠償責任には以下のようなものがあります。
・施設賠償責任…来客者が施設内で転んでケガをした、配膳の際に来客者の服を汚してしまったなど、業務内で起こった事故で第三者への法律上の損害賠償責任が発生した場合の補償をします。
・受託物賠償責任…第三者から預かったものを壊してしまった場合など、法律上の損害賠償責任が発生した場合の補償をします。
・借家人賠償責任…賃貸物件で火災があった場合に、オーナーに対する法律上の損害賠償責任が発生した場合の補償をします。

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法人向け火災保険の契約方法



法人向けの火災保険では、敷地内の施設ごとに建物、設備・什器備品などの保険に加入することもできますし、いくつかの施設をまとめて契約することができるのも特徴です。複数の物件を所有している法人であれば、まとめて契約する包括契約が便利です。

包括契約は、一定規模の法人が所有する複数の物件を包括して契約するものです。まとめて契約することで包括契約割引が適用されるため、保険料の節約にもつながります。また、日本各地に複数の事業所を展開する一定規模の法人の場合は、包括契約に加えて全体での補償限度額を設定することで保険料を節約する「ファーストロス契約方式」というものもあります。包括契約を採用した場合、支払限度額や免責金額を設定して合理的なプランニングができることや、保険期間の途中で取得した物件も自動的に補償対象になり補償漏れを防止できるなどのメリットがあります。また、商品や製品は在庫価額が変動しても支払限度額を限度に実際の被害が補償され、更新時期も同時なので書類の整理や見直しが管理しやすいといったこともメリットです。しかし、物件ごとに違うリスクの合わせた細かいプランニングがしづらいというデメリットもあります。

免責金額を設定したり、補償方式を変えたりして保険料を抑えることができますが、保険会社によっては20万円フランチャイズ方式を採用している場合があることには注意が必要です。これは、被害額は20万円未満の場合は保険金が支払われないというものです。そのほかにも、水災補償では、実際の被害額が支払われるケースだけでなく、一定の浸水条件に該当した場合にのみ保険金が支払われるケースなどもあるので、契約の際にどのようなケースがあるのかを確認しておきましょう。

法人向け火災保険の契約時・請求時の注意点

2017年初め、某大手企業の大規模な倉庫が12日間に渡って燃え続けたというニュースがあったことは記憶に新しいと思います。なぜ、そんなに長期間に渡って燃え続けるという大きな被害になってしまったのか、それには以下のような要因がありました。

・窓が少ない倉庫だったため消防隊の突入に時間を要した
・倉庫内に紙素材のものが多く燃えやすかった
・スプリンクラーが火元近くになかったために水が届かなかった
・太陽光パネルなど後付けで設置した設備により消火しづらくなった

また、このようなハード面の問題に加え、火災保険の契約時に実情に合った契約をしていなかったことも指摘されました。ちゃんと精査して契約していれば、実際の被害額である200億円近い保険金がおりるはずでしたが、保険金としては45億円しか支払われませんでした。

法事向けの火災保険においては、どのような補償内容にするかの「設計」はとても重要です。火災保険の申請をすると、保険会社から派遣される損害保険登録鑑定人が現場検証にやってきます。彼らの視点から、かなり細かい目視とヒアリングが行われています。具体的には、作業で使用する機械の能力や、使用される液体物や高温処理する機械の危険性、消防施設や社内の防火体制の有無、保守点検記録など、会社全体がどのように防火に取り組んでいるかもチェック対象となります。このように、現地でさまざまな項目の確認とヒアリングが行われます。これは火災保険の契約時には保険会社の担当者が行い、リスクが低いと考えられる場合は保険料が安くなります。

このような現地調査は、リスクに合わせた保険金額の設定の判断基準になると同時に、安全管理の再確認にもなります。火災保険の契約時はもちろん、被害があった後の防災体制の参考にもなると思いますので、調査結果は真摯に受け止めましょう。

具体的なチェック項目

法人向け火災保険の契約・更新時には以下の項目をチェックしましょう。

・物件の状況を確認する
・保険金額の設定が適切かを試算する
・他人が所有するものが保険の対象になっていないか確認する
・屋外設備が補償から漏れていないかを確認する
・経年劣化など保険金が支払われないケースを確認する

地震・噴火・津波による被害は地震保険でカバーする

上記の通り、火災保険は火災以外にも自然災害による被害も幅広くカバーしている損害保険です。しかし、自然災害の中でも地震・噴火・津波による被害だけは例外で、火災保険では補償されません。地震・噴火・津波による被害は、居住部分がある物件の場合は地震保険に加入することで補償されます。地震保険は、火災保険とセットで加入することになるので、火災保険の特約的な位置づけともいえます。居住部分がない場合は、文字通り特約で補償することになります。

地震保険では、4つの損害区分(全損・大半損・小半損・一部損)に応じて、それぞれの区分で決められた割合の保険金を受け取ることができます。ちなみに、地震保険の保険金の上限は火災保険の保険金の30~50%ですので、再調達するというよりも生活の立て直しのための保険といえるでしょう。

この地震保険の保険料は都道府県別・構造別によって決まるため、どの保険会社と契約しても、同一条件であれば保険料は同じです。また、その保険料は数年ごとに改定されるため、契約時の最新の情報をチェックしておきましょう。日本は地震大国といわれるほど地震が多い国なので、火災保険に加えて地震保険にも加入することをおすすめします。

カスタマイズして自社に合った火災保険を



このように、法人向け火災保険は多彩な補償内容をカスタマイズすることで、自社のリスクに合わせた契約にすることができます。そのカスタマイズを成功させるためには、自社の物件や商品を把握しておくことはもちろん、法人向け火災保険の補償内容も把握しておくことが大切です。火災保険の加入・更新・請求時にこれらのことを把握できるよう、担当部署では日頃から資料を揃え万が一のときに備えておくことが求められます。



記事監修者紹介


【二級建築士】佐野 広幸
株式会社ゼンシンダンのwebサイト監修の他、一般社団法人 全国建物診断サービスの記事も監修。火災保険申請を利用した修繕工事を広める事により、日本の「建物老朽化」問題の解決に貢献。