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お役立ちコラム

法人向け火災保険の加入・更新時のポイント


最近の日本では、自然災害が非常に多くなってきています。そのため、企業の重要な財産にも被害が出るリスクが高まっていて、企業の事業の継続に甚大なダメージを受けてしまうことがあります。そのリスクをカバーするために加入しておきたいのが、法人向けの火災保険です。個人向け火災保険と基本補償は近いのですが、法人ならではの補償もあるので、今回は法人向け火災保険の契約・更新時のポイントを見ていきましょう。

法人向け火災保険はプランニングで決まる

ここ最近に起こった企業の被害といえば、2017年の大手通販会社の倉庫の火災です。完全な鎮火までに10日以上かかり、倉庫の大部分が燃えてしまったため、損害額は有形固定資産と棚卸資産を合わせて約120億円、それ以外のリース資産も約20億円あり、それ以外の損失も含めて合計で200億円近い被害が出てしまいました。しかし、火災保険金の支払いはわずか25億円で、損害をカバーしきれずに自己負担額が相当なものになってしまいました。これは、火災保険の契約時のプランニングに失敗していたために、このようになってしまったと考えられます。では、火災保険のプランニングが失敗した原因は何だったのでしょうか?想像されるのは以下の理由です。
●火災保険の補償内容を理解しないまま保険会社の担当者任せで加入契約した
●加入時の補償対象の状況の把握が不十分だった
●加入後に補償対象の状況に変化があったにも関わらず火災保険の見直しをしなかった
このように、法人向けの火災保険においてはプランニングをしっかりしなければ、適切な保険金が支払われることがありません。企業の所有物をリスクから守るためにも、事前に火災保険に関する情報を把握しておくことが大切になります。

火災保険の基本的な補償内容

法人向けの火災保険をプランニングするためには、火災保険がどのような補償をしてくれるのか、基本的な内容を理解しなければいけません。どのような建物が、どのような所有物が、どのような被害でどのような補償を受けられるのかを把握することで、自社の所有物を守るために最適なプランニングができるというものです。火災は被害が拡大しやすく、企業にとって大きなダメージになってしまいますが、火災保険は自然災害など以下のような内容もカバーしています。

●火災、落雷、破裂、爆発による被害
●風災、雹災、雪災による被害
●排水施設事故の水漏れなどによる被害
●紛争や労働争議などによる被害
●車両、航空機などの衝突による被害
●外部からの物体の衝突などによる被害
●水災による被害
●盗難による被害
●電機・機械事故による被害
●その他偶然な破損事故

このうち、基本的な補償としては「火災、落雷、破裂、爆発による被害」「風災、雹災、雪災による被害」の補償です。特に最近は、大型台風の上陸やゲリラ豪雨の頻発など、異常気象が多くなっていますので、被害が拡大するリスクが高まっています。このような被害から企業の所有物を守るためにも、火災保険は重要なポイントとなります。

包括契約で補償漏れを防ぐ

法人向け火災保険においては「包括契約」が便利です。これは、複数の建物を所有している企業にとってメリットのある、火災保険を包括的にまとめることで保険料を節約でき、管理しやすくなる火災保険の契約方法です。この包括契約のメリットは以下の通りです。

●保険料の節約になる
包括契約では火災保険料を10%ほど割引できます。企業の防災環境が整備されている場合は、さらに保険料が割引されることもあります。

●契約後に所有することになった建物も自動的に補償される
新しく購入した物件も、一定額までは自動的に補償対象に追加されるので、補償漏れを防止できます。

●一事故の支払い限度額を設定することで保険料をさらに削減できる
複数の建物が一度に全壊するリスクは低いので、最大の損害額を設定して保険料の削減につなげることができます。

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法人向け火災保険の落とし穴



上述した通り、大規模な火災が起こった場合は、鎮火までに時間がかかることが想定されます。なぜ消化までに数日もかかってしまうことがあるのでしょうか。この理由は、いくつかあると想像されます。

まずは窓が少ない場所でスト、消防隊が入りにくく消火活動が遅れることがあります。そして、倉庫内にあるものが紙素材のような可燃性が高いものである場合、延焼しやすい環境になってしまいます。そしてスプリンクラーのような消火設備が火元近くにない場合も、初動の消火が遅れることになりますし、太陽光パネルのような後づけで設置した設備がある場合も、消火活動の妨げになることがあります。

このように考えると、法人向けの火災保険の新規加入・更新時には、建物の物件の構造や安全施設、建物内に保管されている物をしっかりと把握して加入しなければなりません。そして、施設内の土地環境、河川の状況、自然災害の発生率、地震などを十分考慮した上で加入することも大切でしょう。加えて、国土交通省や地方自治体のホームページに掲載されている地域の「ハザードマップ」を利用することも有効です。

火災保険をプランニングする際の段取り

では、法人向けの火災保険委に加入・更新する際は、どのような段取りで進めればよいのでしょうか。

●補償したい物件を決める
まずは、火災保険の補償対象となる物件を決めることからスタートします。法人の場合、対象となる建物が複数あり、所在地がバラバラになっていることもあります。補償したい事務所・店舗・工場・倉庫などが複数ある場合は、どの物件を補償対象とするかを決め、場合によっては包括契約(後述します)も検討します。

●加入時・更新時に物件の状況を把握する
火災保険の契約時に物件の状況を把握しておけば、被害額と保険金の差額は埋められるはずです。逆に、この把握ができていなければ、保険金を低く設定しすぎて、再調達のために多額の自己負担を強いられることがあります。大切なことは、火災保険の加入時と更新時に最新の状況を把握するための調査を行うことです。特に、物件が大規模で複数場所に点在している場合は、この状況把握が火災保険を上手に活用する大きなポイントとなります。ちなみに、保険会社の担当者や、火災保険を申請したときに保険会社から派遣される損害保険の鑑定人は、物件について細かいヒアリングと現物の目視チェックを行い、火災のリスクや被害状況を確認していきます。具体的には、以下のような項目を確認しています。

業務中に使用する機械の能力/業務中に使用されている液体物や高温処理をする機械の危険度/消防施設や保守点検記録/社内防火体制の成熟度/緊急時の対策本部の設置方法/落雷・風雪・水害対策

このような項目を徹底的に確認されますので、火災保険の担当部署も事前にこれらのことを把握しておくことが大切です。ちなみに、防災体制について管理が整っているほど保険料が安くなり、逆に危険が高い(整備されていない)と判断されると保険料は高くなります。また、このような現地調査を行ってもらうことで、リスクに見合った保険金額の設定ができますし、安全管理の再確認にもなります。事前に物件調査を行えば、年月が経ち変更や追加されている建物のほか、設備や安全対策などを再チェックすることができますので、その企業が災害時にどれだけの対応力を持っているかをベースにして適切な保険金額を算出できるようになります。

●評価基準を決める
次に、火災保険で補償対象にする財産の価値を、どう評価するのかを決めていきます。財産の価値の評価方法は「再調達価額(新価)」「と「時価」の2つがあります。まず、再調達価額ですが、これは被害を受けた補償の対象を新たに再調達するために必要な金額のことで、買い替えができる金額と等しくなります。一方、時価は経年劣化を考慮して新価から差し引いていくので、保険金額は再調達しようとすると足りなくなってしまいます。そのため、火災保険に加入する際は、基本的には再調達価額で評価を算出することになっています。

●免責額を設定するかどうか決める
最後に、火災保険の中でも注意すべき免責額についてです。実は、知らぬ間に免責額が設定されていて、火災保険を申請した際に保険金が下りなかったというケースは少なくありません。保険証券には、必ず「免責額」の欄がありますので、ここに金額が入っている場合は、その金額までの被害であれば自費で工事を行うことになります。例えば、免責額が「100万円」と設定されているとしましょう。この場合、被害総額が95万円であれば、保険金は支払われません。逆に被害総額が101万円ですと、保険金が支払われるというわけです。そのため、保険料を抑えるために高額の免責額を設定してしまうと、火災保険に加入する意味がなくなってしまいます。

実際に合った例では、保険料を渋ったために免責額を500万円に設定してしまった企業がありました。その企業では複数の工場を運営していて、しかも地域的に台風が起こりやすい場所に建設されていて工場もありました。それにも関わらず、これほどの高額の免責額を設定したために、300万円ほどの工事費用を毎回自費で賄うことになってしまいました。当然ながら、社長は火災保険に入る意味がないと考え、解約してしまったということです。しかしながら、免責額はほどほどに抑えて、少し割高になる保険料を支払うことで解決できる問題です。免責額を低く設定し、保険料が年10万円ほど高くなったとしても、万が一のときに補償してもらえるのであれば、その方向で契約することを検討してみましょう。

法人向け火災保険ならではの休業補償保険とは

法人向けの火災保険と、一般の火災保険の大きな違いには「休業補償保険」があります。これは、火事や自然災害の被害の影響で、事務所や倉庫が営業を停止してしまった場合に、数日間営業が停止状態となり、本来手に入るはずの利益がなくなった場合の補償をしてくれるというものです。

火災保険の補償対象となるのは、火事や自然災害などですが、特約により自動車が建物に衝突するなど偶発的・突発的な事故による被害による営業停止も含まれます。もちろん、特約に加入していない場合は、対象外となる被害もあるので注意しましょう。

営業停止をするような被害が出たときには、火災保険の補償内容を改めて確認しましょう。もちろん、契約書を確認するほかにも現在契約をしている保険会社・保険代理店に相談してもよいでしょう。ここで保険料の試算をするわけですが、ベースとなる保険金の設定金額については、毎月の「売上高」ではなく粗利益である「売上総利益」を考慮して試算してもらいましょう。売上高で計算してしまうと、その月の支出によっては損をする可能性があります。

というのも、売上総利益から継続的にかかる費用である「人件費」や「役員報酬」、「家賃(賃貸料)や「地代」などが差し引かれます。また企業の規模が大きくなると「社会保険料」も相当な額になりますので、売上総利益による計算がポイントになります。これらの経費は、経理上はすべて「販売費及び一般管理費」と呼ばれ、これらの費用を支払う原資を確保しなければ企業は倒産してしまいます。そのため、「売上総利益」を確保する(毎月の数字を把握する)必要があります。企業にとっては、儲けがない状態ではこの固定費を払うということが難しくなってしまう場合もあります。キャッシュフローが豊富にある企業でも、営業停止が数か月続くと、企業の存続問題になるでしょう。そうならないためにも、法人向け火災保険に加入する際には、休業補償保険についてしっかり確認しておくことをおすすめします。

法人向けの火災保険で企業の所有物を守ろう



日本は自然災害が非常に多い国です。そのため、企業の財産を守る火災保険への加入は必須だと考えられます。個人用の火災保険と違い、直接的な被害だけではなく、被害がなければ想定されていたと思われる利益も保証されます。火災保険の補償内容は多岐に渡っているので、まずは補償の対象となる所有物を特定し、事前調査をしっかり行い、ムダのない契約を結ぶようにしましょう。法人向けの火災保険を活用するときには、火災保険を使った工事で豊富な実績があるゼンシンダンにご相談ください。契約済の火災保険の契約内容に合わせて、最善の提案をさせていただきます。



記事監修者紹介


【二級建築士】佐野 広幸
株式会社ゼンシンダンのwebサイト監修の他、一般社団法人 全国建物診断サービスの記事も監修。火災保険申請を利用した修繕工事を広める事により、日本の「建物老朽化」問題の解決に貢献。