物置の屋根修理は専門業者に依頼すべき?火災保険が使える可能性も?
目次(▼タップで項目へジャンプします)
- ▼被害が見られる場合には修理を検討しましょう
- ▼応急処置の場合はDIYで対応ができる
- ▼DIYによる物置の屋根の修理方法
- ▼樹脂製屋根の劣化症状と修理のタイミング
- ▼金属製屋根の劣化症状と修理のタイミング
- ▼作業が難しい場合は専門業者に依頼しよう
- ▼実際に火災保険を利用して工事をした事例があります
- ▼物置の屋根は被害が軽いうちに修理しましょう
- ▼物置の屋根の修理費用を抑えるには?
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一軒家の横に物置を設置している家庭は少なくないと思います。何かと季節の変わり目などに不要なものを収納しておくのに便利な物置ですが、常に自然にさらされている状態ですので、いつの間にか屋根の劣化が起こっているものです。そして、物置はいつも入る場所ではないので、雨漏りをしていても気づかないかもしれません。そこで今回は、物置の屋根が破損しているのを発見したときはどうすればいいのかを考えていきたいと思います。
被害が見られる場合には修理を検討しましょう
住宅もそうですが、物置も同じように、放置していると徐々に経年劣化を起こします。劣化すると屋根や外壁の塗装によるメンテナンスが必要です。では、どのような劣化現象が起きてきたときにメンテナンスが必要になるのでしょうか。
屋根の縁(ふち)がさびた
経年劣化により屋根のふちにさびが発生したときは要注意です。さびを放置すると、穴が開いてしまい、雨水が浸入することがあります。ここまでいくと屋根を本格的に工事する必要があるため、さびをワイヤーブラシで落として、さび止め塗装を行いましょう。
塗装が薄くなった
物置は、設置してから時間が経過すればするほど徐々に塗装が薄くなっていきます。塗装は見た目の問題だけでなく、屋根材を守るという大きな役割があり、塗装がない状態が続くと物置の寿命自体が短くなってしまいます。そのため、塗装が薄くなってきたときは早めに対処するようにしましょう。
白い粉が手につくようになった
物置の塗装が劣化すると、表面に白い粉がついていることがあります。この、白い粉が出る現象のことを「チョーキング現象」と呼んでいます。物置に限らず、住宅の外壁でもチョーキング現象が起きたときは塗装が必要なサインです。白い粉が表面についたままにしておくと、塗料の乗りが悪くなってしまうので、高圧洗浄機で白い粉を落としてから塗装をします。
応急処置の場合はDIYで対応ができる
物置の屋根にひび割れや小さい穴を発見したら、まずは応急処置をして中に雨水が浸入しないようにする必要があります。以下、ホームセンターでも材料を揃えられる応急処置の方法を紹介します。
ブルーシートを張る
物置の屋根のどの部分から雨漏りしているのかわからない場合、屋根全体にブルーシートをかぶせてとりあえず雨水の浸入を防ぐという方法を採ります。この際、ブルーシートが風で飛ばされないように、ブルーシートの端に土のう袋を置くと安心です。ただし、物置の屋根の上の作業は危険ですので、DIYで行う際は必ず二人以上で行い、安全にはくれぐれも気を付けるようにしましょう。
防水テープを貼る
屋根に小さなひび割れや穴を発見したときは、防水テープや補修用のテープを使って応急処置をします。この際、防水効果の高いテープを使用することで雨水の浸入を防ぐことができます。テープを貼る場所は紙やすりでさびを落としておいて、洗剤で良く洗っておきます。この作業をしておかなければ、テープの付きが悪くなりすぐに剥がれてしまいます。テープを貼るのは、十分に乾いてからが良いので、できれば天気が良い日に作業をしましょう。
コーキングで補修する
市販のコーキング剤でひび割れや小さな穴をふさぐ方法もあります。コーキング補修の方法は、以下のとおりです。
- マスキングテープで周囲を養生する
- 紙やすりで塗装やさび、汚れを落とし乾燥させる
- コーキングが接着しやすいようにプライマーを塗る
- プライマーが乾いてからヘラでコーキングを充填する
- コーキング剤が乾いてからマスキングテープを剥がして終了
このときのポイントは、ひび割れや穴を埋めるようにコーキングを塗りこむことです。
ただし、これらの方法はあくまで応急的な補修であり、早めに本格的な修理を行うことをおすすめします。
DIYによる物置の屋根の修理方法
物置がそれほど大きくない場合は、DIYで屋根の本格的な修理をすることも可能です。以下、その方法を紹介していきます。
波板を張り替える
DIYで波板を張り替える際は、脚立を使って修理を行うことになるので、必ずサポートの人員を入れて行いましょう。また、電動ドライバーや金鋸などの道具も必要になりますので、初めて行う際はそれなりの出費があります。材料費自体は5000~1万円前後、作業時間は5時間ほど見ておきましょう。
トタン屋根を塗装する・張り替える
DIYでトタン屋根を塗装する場合は、表面のさびを落としてから塗料を塗りましょう。まずはさび止め塗料を下塗りし、その後に油性塗料で塗装します。塗装を行う際は、必ず晴れた日を選ぶようにし、十分に乾かしながら重ね塗りをしていきます。費用は、さび止めや塗料、刷毛などを合計しても3000~5000円程度でしょう。また、トタン屋根を張り替える場合は、サイズが合うものがホームセンターにあればDIYでも修理できます。
樹脂製屋根の劣化症状と修理のタイミング
DIYで設置した物置では、波板やパネルといった樹脂製の屋根が使われることが多いようです。この樹脂製屋根の主な劣化症状や修理のタイミングを紹介します。
塩化ビニール樹脂
別名・塩ビとも呼ばれる塩化ビニール樹脂は、耐久性があまり高くありません。そのため、状態が変化して強度が落ちてくることが予想されます。塩化ビニール樹脂は太陽光や紫外線、雨水や温度変化により、変色・硬化・変形やひび割れが起こります。劣化を放置しておくと、もともとの強度を保てないために、ちょっとした風でひびが入ったり割れたりしてしまうので、屋根全体を葺き替える工事が必要になります。
ポリカーボネート
ポリカーボネートは、樹脂素材の中でも特に耐衝撃性が高いのが特徴です。しかし、紫外線に弱く、長時間に渡り太陽光を浴び続けると耐衝撃性が下がったり変色したりするというデメリットがあります。物置では波板になっているポリカーボネートを使うことが多いと思いますが、割れた部分の交換・張り替えで対応します。
FRP樹脂
FRP樹脂(繊維強化プラスチック)とは、プラスチックにガラス繊維を組み合わせた高強度の樹脂で、アルミニウムよりも軽く鉄よりも曲げる耐性に優れていることから、多くの部材の素材として活用されています。金属製の素材のようにさびることはないですが、紫外線の影響は受けるので、長い期間に渡り使うためには定期的なメンテナンスが必要です。屋外でFRPの屋根を使う場合は、コーティングや塗装をして表面を強化します。
金属製屋根の劣化症状と修理のタイミング
物置にはトタンやガルバリウム鋼板などの金属製の屋根も多く使われていますので、これらの劣化症状や修理法も見ていきましょう。
トタン・カラートタン
鉄に亜鉛でメッキしたトタンは、波板の状態で物置の屋根に多く使われています。トタンは雨水や潮風の影響でさびが発生しやすく、放置すると穴が開いてしまいます。物置を設置してから10年以内でも、表面の塗装が薄くなる症状がみられることがあります。加えてチョーキング現象が起こっている場合は塗装のタイミングです。しかし、さびを放置して穴が開いて雨漏りしている状態では塗装では修理ができないので、屋根の張り替えや重ね葺きを検討しましょう。
ステンレス
ステンレスはトタンよりも強度・耐食性に優れた金属で、さびにくいという特徴もありますが、環境によってはさびてしまうことがあります。酸性雨に含まれる酸や潮風に含まれる塩分によりさびることがありますし、ほかの金属が接触することで起こる「もらいさび」という現象が発生することもあります。ただし、ステンレスのさびは中性洗剤を付けたスポンジでふき取ることができますので、DIYで掃除が可能です。
ガルバリウム鋼板
住宅の外壁・屋根材として人気の高いガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛のメッキが施されているので、耐用年数が20年という、ほかの素材よりもかなり長くなっているのが特徴です。また軽くさびにくいという特徴から、塩害が心配な海沿いの地域の住宅でもよく採用されています。このガルバリウム鋼板のデメリットは、表面に傷が付きやすいことで、この傷からもらいさびが発生することはあります。この症状が出た場合は、専門業者にメンテンナンスを依頼しましょう。また、15年ごとに表面の塗膜を保護するための塗装を行うのが望ましいです。
作業が難しい場合は専門業者に依頼しよう
物置の屋根のDIYでの応急処置や補修には限界があるので、最終的には専門業者に依頼してしっかり直してもらうことになると思います。以下、業者による物置の屋根の工事の種類を紹介します。
さび止め・塗装
物置の屋根が金属製の場合は、定期的にさび止め塗装でメンテナンスすると長持ちします。金属製の屋根は、水や汚れ、潮風・酸性雨の影響でさびることがあり、このさびを放置することで屋根に穴が開き雨漏りが発生することがあります。さびがひどくなる前に塗装しておけば、5~7年ほど寿命を延ばすことができるので、定期的なメンテナンスは重要なポイントになります。工事の流れとしては、塗装の前に表面に付いたさびを綺麗に落とし、高圧洗浄で金属屑を洗い流し乾かします。その後、周囲を養生してから下塗りとしてさび止め塗装をし、中塗り・上塗りという「三度塗り」を行います。塗料の種類・機能によって値段は若干の違いがありますが、20万円前後でできることが多いです。
葺き替え
さびや被害がひどく、メンテナンスをずっとしていない屋根は葺き替えることを検討します。葺き替えとは、既存の屋根材を外して下地も変え、新しい屋根を乗せ換えるフルリフォームのことです。使用する屋根材はトタンやガルバリウム鋼板などの金属製のものが多く、種類によって予算は変わりますが、40万円前後あれば可能です。
重ね葺き
屋根が傷んでいるものの、全体を葺き替えるまでもない場合は、既存の屋根の上から新しい屋根を乗せる重ね葺き(カバー工法)も検討します。既存の屋根を撤去しなくてもよく、費用も30万円ほどでできるので安上がりです。具体的には、既存の屋根に合わせて野地板を貼りつけ、防水シートを野地板に張った上から新しい屋根材を固定して完成です。
実際に火災保険を利用して工事をした事例があります
こちらは埼玉県で、風災で住宅の屋根の破損や物置にも被害があり、火災保険がおりて工事を行った事例です。おりた火災保険で、物置の交換もできました。
(↑工事前)
(↑工事後)
物置の屋根は被害が軽いうちに修理しましょう
物置は屋外に設置することがほとんどですので、紫外線や風雨など自然の影響をもろに受けるため経年劣化は避けられません。特に屋根はその影響を受けることから、外壁よりも早く劣化してしまいます。少しでも物置の屋根の劣化を防ぐためには、物置の置き場所を考えることも必要です。
住宅の屋上や、雨や雪が直接落ちる場所、風当たりの激しい場所などは物置の置き場所には不向きです。その中でも住宅の屋上は劣化が早いだけでなく、しっかりと固定できないと倒壊の危険性もあるので注意が必要です。
物置の屋根の修理費用を抑えるには?
できる限り自然の影響を受けない場所でも、物置は劣化します。では、物置の屋根の修理費用を抑えるためにはどうすればよいのでしょうか。
得意分野に応じて依頼する専門業者を変える
物置の屋根にはさまざまな素材がありますが、その素材の種類に応じて依頼する専門業者を変えるという方法があります。例えば、トタンやガルバリウム鋼板のような金属屋根であれば板金業者、樹脂製の屋根であれば工務店などが得意としています。
このような専門業者の選定に迷ったときは、私たちゼンシンダンにご相談ください。全国1450の業務提携店の中から最適な業者を選んで見積を取ることができますので、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
火災保険を申請する
火災保険を適用するという方法もあります。ただし、火災保険は物置屋根が壊れた原因が火事や自然災害、契約内容によっては一部の事故に限られていますので、火災保険の活用ができる理由で壊れたときに申請しましょう。火災保険を活用する際は免責金額が設定されていることが多く、物置の屋根の工事の場合、安く済むこともあり、免責金額に引っかかる可能性があることは覚えておきましょう。
ちなみに、火災保険の申請についても私たちは豊富な実績を持っていますので、相談してみることをおすすめします。
このように、物置の屋根はいつのまにかさまざまな劣化が起こってしまい、放置するとさびが発生し雨漏りが起きたり、強度が弱まり強風で吹き飛ばされたりしてしまう危険性があります。そのため被害に気付いたらすぐにメンテナンスをするように心掛けましょう。
記事監修者紹介
![]() 【一級建築士】登立 健一 株式会社ゼンシンダンのwebサイト監修の他、一般社団法人 全国建物診断サービスの記事も監修。 |