雨漏りの調査では何をする?費用はいくらくらいかかる?
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突然起こる雨漏り。この雨漏りは、雨水が住宅内に浸入している箇所を特定して、被害を受けている箇所を塞ぐか、新しい素材に交換することで対処できます。しかし、雨漏りの原因は複合的なことも多く、特定することが非常に難しいといわれています。
また、雨漏りの原因は多種多様なことから、被害を受けた場所のすぐそばで雨漏りが起こるわけでもなく、雨漏り修理の専門家でもしっかりとした調査を行うことで、原因を特定できます。
つまり、どこから雨漏りが起こっているかを特定しないまま修理をしたとしても、雨漏りは収まりませんし、別の場所から雨漏りが発生するなど症状がさらに悪化するリスクが高くなります。そこで今回は、雨漏りの調査方法・原因・対処方法について解説していきます。
雨漏りの調査方法と費用の目安
雨漏りの調査方法は、以下の4種類が一般的です。
目視調査(費用の目安…無料~3万円ほど)
雨漏りの被害が出ている箇所を推測して、屋根に登ったり天井裏を覗いてみたりして、雨水が浸入した形跡がないかを目で確認していく方法です。雨漏りの調査を無料で行う場合は、基本的に目視調査になります。
目視調査でも費用がかかる場合がありますが、この際はどのような調査をするのかを確認しておきましょう。目視調査の制度は、検査をする業者の経験・実績で変わってきますが、ある程度的確に目視で原因が特定できる場合は、より本格的な調査である散水調査や赤外線サーモグラフィー調査をスムーズに行うことができます。
そのため、この調査を行っても、経験豊富で実績のある専門業者でなければ的確な結果がでないことがあります。
散水調査(費用の目安…20万円ほど)
雨漏りの原因と思われる箇所に実際に水をかけてみて、雨漏りが再現されるかどうかを確認する方法です。
目視調査よりも大掛かりになりますので、費用も時間もかかりますが、目視調査よりも確実な方法なのでできれば試したいところです。腕のいい専門業者が的確に散水調査を行うことで、かなり高い確率で原因を特定できます。
雨漏りの原因箇所が屋根にある場合は、足場の設置が必要になるので費用がかさむ可能性があります。水は依頼者の水道からひいてくるケースが大半です。
発光液調査(費用の目安…25万円ほど)
発光塗料を混ぜた専用の検査液を、雨漏りの原因と思われている箇所に流し込んで調査します。屋根裏から紫外線を当てると、発光した箇所から浸入口が特定できます。
散水調査でおおよその原因箇所を特定した後に、発酵液調査を行うことでより的確に原因が特定できます。複数の箇所からの雨漏りが推測される場合は、発光液の色を変えることで調査します。
ちなみに、検査液は退色・変色せず、数日で発光しなくなるものがほとんどです。ただし、もしものときを考慮して、退色・変色した際の保障については確認しておきましょう。
赤外線サーモグラフィー調査(費用の目安…30万円ほど)
建物を高感度赤外線カメラで撮影して検査する方法で、コストは割高になりますが、確実に雨水の浸入経路を特定できる方法です。
建物内部に雨水が浸入していることがわかっているのに、断熱材が雨水を吸い込んでしまっている場合でも、赤外線サーモグラフィー調査を行うことで、建物の内部の温度変化で浸入経路を特定できます。特に、赤外線サーモグラフィー調査は雨漏り箇所がサッシのような壁際の場合に向いています。
ただし、三脚を立てて撮影することになるので、住宅の前に道路がある場合や角地に立地している場合に適しています。周囲が建物に囲まれているような場合は、物理的に難しいことがほとんどで、金属屋根の住宅の場合も住宅内部の温度変化が激しいので不向きだと考えられています。
雨漏り調査の流れ
雨漏りを直すためには、プロの専門業者に依頼するのが確実です。上述の通り、雨漏りは原因の特定が難しいので、DIYで修理するのは避けたいところです。しかし、雨漏りがひどい場合には、業者を呼ぶまでの応急処置は自分で行わなければいけません。
DIYでできる応急処置
DIYでできる応急処置としては「ブルーシートをかぶせる」「排水口をきれいに掃除する」「防水テープで雨水の浸入口を塞ぐ」などがあります。
しかし、ブルーシートや防水テープは劣化が早いので、応急処置をしてそのままにしておくと、また雨漏りが再発するリスクが高いので、あくまで一時的な応急処置と考えておきましょう。どの製品を使うかにもよりますが、1万円以内での処置が可能です。
ただし、ブルーシートを固定するためのおもしや、はしごが必要な場合は、その分の費用も必要になります。また、屋根に登るなど高所での作業になることもあるので、屋根に登るのが不安な場合は応急処置も専門業者に依頼しましょう。劣化状況や方法によって異なりますが、2~3万円ほどで応急処置をしてくれる業者が多いです。詳細は以下の記事をご覧ください。
雨漏りで一時しのぎしたい時にすべきことや修理費用を安くする方法
専門業者に依頼した場合の修理方法
専門業者では、調査を行った後に「ひびの入った瓦やスレートをコーキングで埋める」「割れた瓦やスレートを新しいものに交換する「浮いた棟板金をはずして新しく打ち直す」などの処置を行います。
費用は劣化状況によって異なりますが、コーキングで埋める場合、5万円ほどから修理が可能です。もし、劣化が激しく屋根全体を交換したり外壁塗装も行ったりしたりする場合は、100万円以上かかることもあります。「雨漏り補修は数万円でできます」と謳っている業者もありますが、その金額でできるのは応急処置だけのケースが多いので注意が必要です。
雨漏りが発生しているということは、少なからず住宅の中に雨水が浸入しているということなので、その根源を絶つためにはそれなりの費用がかかることを想定しておきましょう。
雨漏りは原因の特定が大事
雨漏りが起こると、住宅内に雨水が浸入して住宅内部の木材部分の腐食が始まるリスクが高まります。湿った木材はシロアリが大好きなので、シロアリが繁殖し、食べ散らかしてしまうのです。木材の腐食・腐敗により、膨大な費用をかけて住宅を補修する必要が出てくるかもしれません。
住人の健康にも影響が出てしまう恐れも
また、湿気の多い場所はカビも発生しやすいので、住宅だけでなく、そこに住む住人の心身にも悪影響が出る可能性があります。カビが原因のアレルギー疾患や感染症などは、発熱や咳を引き起こすことがあるので注意が必要です。
雨漏りの原因は屋根からだけではない!
雨漏りの原因は「屋根がほとんど」と思うかもしれません。しかし、最近は屋根材や施工技術が進化したことで、屋根からの雨漏りは非常に少なくなりました。
その一方で、屋根以外の外壁や窓のサッシなどから雨水が浸入するケースもあります。また、屋根から雨水が浸入した場合は、どの場所を伝って天井や壁に到達したがわかりづらいことから、原因を特定するのが難しいといわれています。
そして、実は雨漏りではなく漏水や結露が原因で水が染みていたということもありますし、劣化状態によっては原因箇所が複数あることもあるなど、その解明は非常に難しいのです。
以下、雨漏りが起こる可能性がある箇所をまとめました。
屋根の瓦・スレートの割れた部分からの雨漏り
経年劣化もしくは台風や地震などにより、屋根の瓦やスレートが割れたりひびが入ったりした場合は、雨漏りが発生します。屋根材のずれや漆喰の崩れが原因になることもあります。
ベランダの防水塗膜のひび割れからの雨漏り
ベランダの防水が塗膜防水で行われている場合、経年劣化や紫外線の影響で、防水塗膜にひびが入ることがあります。このひび割れから雨水が浸入して雨漏りが起こることがありますし、排水口が詰まっていて雨水が流れていかないときも、ひびから雨水が浸入して雨漏りになることがあります。
サッシ枠と外壁防水シートの隙間からの雨漏り
通常は外壁をつたって流れていく雨水ですが、ひびわれや縮んだコーキングの隙間から浸入することがあります。このような雨水の浸入の防止のために、外壁防水シート(サイディング外壁の場合は透湿防水シート、モルタル外壁の場合はアスファルトフェルト)が貼られています。しかし、サッシ枠とシートの間に隙間ができてしまっていると雨水は浸入してしまいます。
給排水管からの雨漏り
給排水管も、サッシ枠と同様に外壁と防水シートを貫通しているので、その接触部分に隙間があると雨水が浸入することがあります。
天窓からの雨漏り
天窓は屋根を切り抜いて埋め込むため、雨漏りのリスクがあります。最近は建材・施工技術が進化して雨漏りがしづらくはなりましたが、通常の窓よりは雨漏りの原因になりやすい箇所です。
雨漏りではなく結露や漏水ということもありえる
散水調査でも赤外線サーモグラフィー調査でも異常がない場合は、排水口の詰まりや漏水・結露が原因で水が住宅内に流れていることが推測されます。
例えば、水を使用していないのに水道メーターが回っていたり、普段と変わらないくらいの水の使用量なのに突然水道料金の請求額が上がったりした場合は、漏水の可能性が高いです。また、寒暖差が激しい季節は結露の可能性も高くなります。
結露の場合は、換気を多くすることで解消します。もし換気して水が収まったら、結露が原因なので、換気をするとともに結露防止シートなどで対処しましょう。
できるだけ雨漏りの調査費用を安くする方法
場合によっては100万円を超えてしまう可能性がある雨漏り工事ですが、以下の方法を使えば安くなる場合があります。
台風・大雨など自然災害による雨漏りに火災保険を適用する
台風や大雨などの自然災害によって雨漏りが発生した場合は、火災保険を活用することで工事費用を賄うことができます。この場合、火災保険の「風災・雪災・雹災」補償を契約している必要がありますので、契約書を確認してみましょう。ちなみに経年劣化と判断された場合は、火災保険の適用はありません。
築10年以下の場合は契約不適合責任(瑕疵担保責任)を利用する
住宅は、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づき、引き渡しの日から最低10年に渡り契約不適合責任(2020年4月までは「瑕疵担保責任」という名前でした)を負うことになっています。施工不良や不具合が見つかった場合、この期間中であれば、不動産やメーカーに対して無償で修繕や損害賠償を請求することができるのです。心当たりがある場合、契約書を確認のうえ、メーカーや不動産会社へ相談しましょう。
安心できる雨漏り業者の選び方
最後に、雨漏りが起きたときにどのような専門業者に修理を依頼すべきかを考えてみましょう。
知識が豊富でわかりやすい説明をしてくれる
まずは、どのような調査を行い、どのような修理方法で直すのかを、しっかり説明できる業者です。
専門知識を持っていて、腕の良い業者であれば、素人でもわかりやすく説明してくれるはずです。その際、火災保険を活用できるかどうかまで踏み込んで話をしてくれる業者であれば、雨漏りの工事を多く手掛けていることがわかります。
その際、火災保険の申請についてサポートしてもらえる可能性がありますので、確認してみましょう。ただし、火災保険の申請は契約者自身が行い、業者にはサポートをお願いしましょう。
地域密着で長く営業している
その地域で長く営業していることも、信頼感のある証拠なので目安にすると良いでしょう。
その一方で、
「いますぐ契約してもらえれば割引します」
「火災保険が“絶対に”つかえるので無料で工事できます」
というような価格の安さを売りにしてきた場合は要注意です。実は、雨漏り修理においては悪徳業者が存在していることは事実で、そのような業者に依頼してしまうとトラブルになるリスクが高くなります。
実際に、国民生活センターなどには雨漏り工事に関する相談が寄せられています。
業者選びに迷ったときはご相談ください
では、専門業者選びに迷ったときはどうすれば良いのでしょうか。おすすめなのは、全国に1450もの提携店を持っているゼンシンダンに相談することです。
2005年のサービススタートから11万件もの火災保険の活用調査を行っていて、雨漏りの修理に関する豊富な実績を持っています。どんなタイプの工事でも対応できますし、火災保険を使えない場合でも負担が少ない工事方法を提案します。
雨漏りが起こったとき、まずゼンシンダンまでご連絡ください。
記事監修者紹介
![]() 【一級建築士】登立 健一 株式会社ゼンシンダンのwebサイト監修の他、一般社団法人 全国建物診断サービスの記事も監修。 |