知った人から得してる!台風被害を受けた屋根修理に火災保険が使える?
目次(▼タップで項目へジャンプします)
- ▼火災保険は台風による屋根の被害の修理に使える?
- ▼火災保険の補償の対象
- ▼火災保険が使える屋根の被害とはどんなものが考えられるか
- ▼屋根工事は高額になりやすいので火災保険がおすすめ
- ▼火災保険が認められないケースもある
- ▼火災保険は3年までさかのぼって申請ができる
- ▼風災被害が適用される基準は?
- ▼実際に台風被害に遭った屋根を火災保険申請した事例の紹介
- ▼火災保険を申請する際の流れ
- ▼台風被害で困ったときはゼンシンダンへご相談ください
2021年もすでに海外では台風が発生し始めました。ここ日本での被害は8月から9月にかけての期間が中心ですが、今年は梅雨が早まるという予測もあり、台風の襲来時期も早くずれ込む可能性は否定できません。2020年は大きな台風はそれほど多くはありませんでしたが、2019年は巨大台風が1か月に3回襲来するという年でした。今年がどのような年になるかはわかりませんが、万が一台風により屋根が被害を受けてしまったときのための対策はしておいた方が良いでしょう。
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火災保険は台風による屋根の被害の修理に使える?
火災保険は「住まいの総合保険」とも呼ばれている、住宅の総合的な損害保険です。名前の通り、火事による被害はもちろんですが、以下のような自然災害による被害も補償の対象になります。
- 風災補償…台風、竜巻、突風、暴風など強風による被害
- 落雷補償…落雷による被害
- 水災補償…台風、暴風雨や豪雨などによる洪水や土砂崩れによる被害
台風により屋根に被害で出た場合、火災保険で上記の補償を付帯しておく必要があります。とはいえ、これらの補償は火災保険の基本補償ですので、望んで外さない限り付帯していることがほとんどです。
火災保険の補償の対象
火災保険の保険対象は「建物」と「家財」の2種類です。
「建物」とは住宅そのものと、それに付帯している一度設置すると簡単には動かせないもの(エアコンなど)と、敷地内にある物置・カーポートなどの総称です。
そして「家財」は、その「建物」の中に収納されている家具・家電・衣服などの総称です。火災保険を契約する際に「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の両方」という3つの中から補償対象を選ぶことができますが、「建物のみ」を選んだときは、「家財」に被害が出ても補償されません。その逆もありますので注意が必要です。以下、台風によって想定される被害をまとめました。
「建物」に被害が出たときの想定事例
- 台風によって窓ガラスが飛散した…窓ガラスは「建物」の一部と考えられるので、ガラスの修理・交換は風災補償の対象となります。
- 台風による大雨により河川が氾濫して床上浸水した…床も「建物」の一部なので、床の張り替えや清掃などの費用は水災補償の対象となります。
- 台風によって屋根がはがれ雨漏りが発生した…屋根も「建物」の一部なので、屋根の修理・葺き替えにかかった費用は風災補償の対象となります。
「家財」に被害が出たときの想定事例
- 台風による大雨で家の中の家具が水浸しになった…家具は「家財」なので、修理や買い替えの費用が水災補償の対象になります。
- 台風の落雷によって過電流が起こり電化製品が壊れた…家電は「家財」なので、修理や新品の購入費用は落雷補償の対象になります。
- 台風の突風により原付バイクが倒れて破損した…原付バイクや自転車は「家財」に含まれるので、被害が出た場合は風災補償の対象となります。ちなみに自動車は自動車保険の対象となるので、火災保険では補償されません。
「家財」については、窓を閉め忘れたことによって出た被害は火災保険の補償の対象外となるので注意しましょう。
火災保険が使える屋根の被害とはどんなものが考えられるか
それでは、台風によって引き起こされる代表的な屋根の被害について詳細を見ていきましょう。
屋根材が飛ばされる
屋根の被害で多いのは、台風の強風によって屋根材が剥がれて飛ばされてしまうという被害です。特に、築年数の経過した瓦屋根は、屋根土の上に並べて噛み合わせているだけというシンプルな工法なので、瓦自体は丈夫でも、その接着剤である漆喰が劣化していると剥がれやすくなってしまいます。そして構造上、一気に捲れてしまうというリスクもあります。
棟部分に被害が出る
瓦屋根の場合は、棟瓦が崩れることがあります。そして、スレートや金属屋根の場合は、棟板金が飛ばされる、といった被害が出ることがあります。棟は建物の中で最も高い位置なので、強風の影響を受けやすいため、棟瓦が歪んでいたり、棟板金が緩んでいたりすると、一気に吹き飛ばされてしまうことがあります。
雨樋が破損する
屋根の雨水を下に流すための雨樋も、台風によって破損することが多い箇所です。例えば、強風の影響で傾斜がずれたり、外れたり、割れたりしてしまうという被害が想定されます。雨樋が被害を受けると、雨漏りにつながるリスクが一気に高くなるので注意が必要です。
飛来物がぶつかり屋根が割れる
台風の際には、強風によってさまざまなものが飛んでくることがあります。その飛来物が屋根に衝突すると、その衝撃で破損してしまうことがあります。
屋根工事は高額になりやすいので火災保険がおすすめ
このように、台風により屋根に被害が出ることは多いのですが、単純に修理だけの費用では数万円以内になることもあります。火災保険では、免責金額を設定していることがありますが、屋根の工事は足場を組むことになるので数十万円は軽く工事費用がかかります。
しかし、火災保険では足場の費用も賄えるので、できれば屋根の修理は火災保険を上手に活用したいところです。
火災保険が認められないケースもある
台風による被害であっても、火災保険の補償対象にならないケースがあります。
経年劣化の場合
火災保険は、経年劣化・老朽化が原因で発生した被害は補償の対象外となります。そのため、建物のメンテナンスを疎かにした結果、台風により被害が出たと判断された場合は、火災保険金は下りません。
被害が発生してから3年以上経過している場合
火災保険の保険金は、被害が発生した日から3年以内に請求することになっています。また、保険会社が独自の時効を設定していることがあるので、被害に遭ってから時間を経過してから火災保険を申請する場合は、保険会社に問い合わせてみましょう。
火災保険は3年までさかのぼって申請ができる
火災保険の保険金の請求期限は、上述の通り3年です。これは、保険法第九十五条によって以下のように定められていることが根拠になっています。
引用:衆議院
なぜこのような請求期限が定められているのか…それは、火災や自然災害による被害が発生してから相当な時間が経過してしまうと、その被害がなぜ発生したのかを正確に特定することが難しくなってしまうからです。被害の原因を特定できないということは、適正な火災保険金お支払いが難しいということになりますので、この法律に基づき3年という時効が設定されています。
すでに工事済みであっても申請ができます!
あまり知られていませんが、すでに修理済の工事費用であっても、3年以内ならば保険請求することができます。ただし、被害が出てからすぐに請求するケースよりも保険金が下りる確度は低くなってしまうので、自然災害による被害が出たときができる限り早く火災保険を申請するようにしましょう。
私たちゼンシンダンには、すでに工事した建物に対しても保険申請をしておりた事例がありますので、お気軽にご相談ください。
風災被害が適用される基準は?
実は、風によって建物や家財が被害を受けたとしても、どんな風でも補償の対象にはなりません。保険会社が強風と判断する基準があります。それは「最大瞬間風速」です。この「最大瞬間風速」は「最大風速」と違うので、その違いを把握しておくことが重要です。
最大風速と最大瞬間風速の違い
台風は、最大風速が秒速で17.2m以上の風が吹いていることが基準となっています。それに対し、最大瞬間風速は「瞬間的な風の強さ」を意味します。
その「瞬間」というのはわずか「3秒間」で、火災保険で風災補償の対象となるのは「3秒間の風速が秒速20m以上であること」とされています。つまり、その条件さえ満たされていれば、台風以外の強風による被害でも火災保険の補償対象となります。
とはいえ、風速20m以上という風がどれくらいの強さか、あまり想像できないと思いますので、以下にその具体的な指標をまとめました。
平均風速:10~15m(やや強い風)
時速に換算すると50km程度です。風に向かっては歩くことが難しくなり、傘をさすと傘が吹き飛ばされるレベルです。樹木全体が揺れるような風で、電線も唸るように揺れます。建物の被害としては、取り付けが不十分な看板などは外れてしまうことがあります。
平均風速:15~20m(強い風)
時速に換算すると70km程度です。風に向かって歩くことはできないレベルで、転倒する危険性もあります。樹木の小枝が折れることもあり、ビニルハウスも倒壊するような強風です。
平均風速:20~25m(非常に強い風)
時速に換算すると90km程度です。しっかり踏ん張らなければ風の勢いで転倒することがあります。鋼製のシャッターは壊れてしまい、風によっていろいろなものが飛んで切る危険性があるレベルの強風となります。
平均風速:25~30m(非常に強い風)
時速に換算すると110km程度です。屋外で立っていることができない強風で、屋外に出ることすら危険な状況です。ブロック塀の倒壊や外装材の剝がれなどが起こることがあります。
平均風速:30m以上(猛烈な風)
時速に換算すると110km以上になります。屋外で立っていることは不可能で、屋外に出ることが生死に直結する危険性があります。街路樹も根こそぎ倒れ始めるような強風なので、屋根が吹き飛ばされてしまったり、木造住宅が全壊したりする可能性も出てきます。
敷地内のフェンスが台風で倒れた…火災保険を活用した修理はできる?
実際に台風被害に遭った屋根を火災保険申請した事例の紹介
それでは、実際に東京都にて火災保険を使って工事をした事例をご紹介します。
こちらは、一軒家で台風で釘が浮き、さび、外壁のひび割れなども確認されました。足場も必要でしたので、見積もりでは130万円でした。
手差し20万円で修繕できました
火災保険金が110万おり、お客様のご負担は20万円で屋根塗装をし修繕をいたしました。このように、火災保険を上手に使うことで、家計や事業資金の負担を減らすことができます。
火災保険を申請する際の流れ
火災保険の保険金は、以下のスケジュールで請求することになります。
専門業者による調査
保険会社に連絡をする前に、専門業者に相談して火災保険が適用できるか判断してもらうことが重要です。その際、後述する全国建物診断サービスのような火災保険を活用した工事で豊富な実績がある業者に依頼するとよいでしょう。ここで火災保険を適用できる可能性がある場合は、見積の作成と被害箇所の写真撮影を依頼します。
保険会社への被害報告
続いて、保険会社に台風によって屋根に被害が出たことを連絡します。この際には、保険会社には「保険契約者名」「保険契約の証券番号」「被害があった建物の住所」「被害に遭った日時・状況」などを伝えます。
保険金の請求に必要な書類の提出
次に、保険金の請求に必要な書類を保険会社に提出します。請求時に必要になる書類は、保険会社から送られてくる申請書のほか、自治体で発行している罹災証明書、被害の程度が分かる写真、専門業者が作成した見積書などです。被害が大きい場合には、印鑑証明書や建物登記簿謄本が必要になる場合もあります。この際、専門業者のサポートを受けると保険金が下りる確度が高くなります。
保険金の請求に必要な書類の提出
申請書類が保険会社に届いたあとに、虚偽の申請をしていないかどうか、保険会社が派遣する損害保険鑑定人による現地調査が行われます。その報告書と申請書類を総合して、保険会社が最終的にどれくらいの保険金を支払うかを決めます。そして、その金額が依頼者の指定した口座に振り込まれます。申請から振込まで、1か月ほどかかるのが一般的です。
台風被害で困ったときはゼンシンダンへご相談ください
台風により屋根に被害が出て、どの専門業者に依頼すれば困ったときはゼンシンダンにお問い合わせいただければと思います。2005年にサービスをスタートし、全国に1450もの提携店を持っている株式会社ゼンシンダンに相談することです。これまでに11万件もの火災保険の活用調査を行っていますし、台風により屋根が壊れたときのさまざまな工事で実績を残しています。また、火災保険を適用できない場合の対処方法も、お客様ファーストで検討し提案します。台風により屋根に被害がでたときは、まずゼンシンダンに連絡してみてはいかがでしょうか。
記事監修者紹介
![]() 【一級建築士】登立 健一 株式会社ゼンシンダンのwebサイト監修の他、一般社団法人 全国建物診断サービスの記事も監修。 |