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お役立ちコラム

過去の地震に学ぶ地震対策と鹿児島市の取り組み

ここ最近の日本は、毎日のようにどこかの地域で地震が起こっています。今日は北海道、今日は関東、今日は九州…幸いにして大きな被害が出る大地震は起こっていませんが、その兆候はいくらでもあります。実際、南海トラフ大地震や東海地震、首都直下型地震などの大災害は数年以内に高確率で発生すると予測している学者もいます。このような災害に備えるためにも、これまでの地震災害を教訓として活かしていかなければなりません。

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東日本大震災から学ぶ…緊急地震速報・津波速報は見逃さない

2011年3月11日14時46分、東日本一帯を巨大地震と津波が襲いました。最初は、マグニチュード7.2の地震として警報が発令され、震度5以上の地域として、宮城・岩手・福島・秋田・山形が発表されました。しかし実際は、マグニチュードは9.0、都内でも震度5強の強さに上方修正されました。

 

なぜこのようなずれが発生したのか…それは地震警報の検知の仕組みが原因です。地震警報の検知は、震源地(最初に断層が割れた場所)から発せられるマイクロ波を感知し、後から来るであろう地震の大きさなどを推測して割り出します。それが第一報として発表されるため、あくまで推測の数値になってしまいます。ちなみに、東日本大震災では宮城県沖の震源が割れた後に、南北に500km、岩手から茨城までの広い地域に渡って秒速2kmで割れ続けたことにより、地震の揺れは長時間に渡り、地震の規模もどんどん大きくなってしまいました。

 

津波速報も同様の仕組みですが、地震よりも非常に複雑な計算が必要です。津波の正確な値を算出するためには、スーパーコンピューターでも1時間半以上の時間が必要といわれています。そのため、地震ではこれほどの時間待てないため、気象庁ではあらかじめ想定される地震から10万通りほどのパターンを計算しておき、その計算を元に震源・規模が一番近いものを発表しています。しかし、東日本大震災が起きた時には、岩手県沖・宮城県沖・福島県沖など7ブロックに分かれた想定しかしておらず、南北に500kmも走る巨大地震は想定していませんでした。そのため、最初に出た地震・津波の大きさは最終的に大幅の上方修正をすることになりました。

 

このように、最初に発表される速報は実際の地震や津波よりも小さく発表されてしまう可能性があることを覚えておきましょう。

情報入手手段は複数必要

東日本大震災が起きた直後に、NHKは全国に緊急地震速報を発表しました。しかし、東京都内の民放キー局は、どの放送局の通常の放送を行っていました。これは、東京都内には大きな揺れが来るという情報が届いていなかったからです。そして、地震のあとには津波が来ました。この情報も、すぐには届きませんでした。一方被災地は、多くの地域で停電が発生し、テレビを見ることができない状態になってしまったため、情報が寸断されてしまいました。放送局からリアルタイムの情報が流れていたとしても、被災地でテレビがつかないのであれば意味がありません。そのため、電気がなくても情報を得られる手段を持っていることが大きなポイントとなりました。テレビ以外にも、簡易的に充電ができる携帯ラジオやインターネットが使えるスマートフォン(特にtwitterなどのSNSが大活躍しました)など、複数の情報入手ができるツールを活用できるようにしておく必要があります。

阪神淡路大震災から学ぶ…「古い木造住宅で死亡率は高まる」

1995年1月17日午前5時46分、兵庫県を中心に大地震が襲いました。のちに阪神淡路大震災と呼ばれるこの震災では6000人以上の尊い命が失われましたが、その死因の83%が建物の倒壊による窒息死・圧死・ショック死などでした。その他、木造建築の出火が原因の焼死・やけどによる死亡は12%で、合わせて95%が建築の倒壊・火事によるものであると考えられています。ちなみに倒壊した建築は1981年に新耐震基準が制定される前に完成していたものがほとんどで、新耐震基準によって建築された建物の倒壊率は10%以下でした。つまり、地震によって倒壊した建物は、そのほとんどが旧耐震基準によって建てられたものであることがわかります。

 

住宅が倒れるから人が亡くなり、住宅が倒れるから火災が起き、そしてその火災でまた人が亡くなるという悪循環が起こったことが、大きな災害につながった原因です。逆にいうと、住宅が倒れなければ犠牲者を減らすことができるという仮説が成立し、古い住宅でも耐震補強工事をすることで倒壊のリスクを軽減できると考えられるようになりました。耐震補強工事は、建物の大きさなどによって変化しますが、一般的には100万円ほどかかるといわれています。自治体によっては補助金が出るケースもありますので、鹿児島市のケースを後述します。

どのような構造の家が地震に強いのか

では、どのような構造の家が地震に強いのでしょうか。家の構造には、主に3つの構造があります。

●木構造(W造/wood)
構造の主要な部分に木材を用いる構造で、軽量かつ加工しやすいというメリットがあります。

●鉄筋コンクリート構造(RC造/Reinforced Concrete)
「引っ張り力」に強い鉄筋と「圧縮力」に強いコンクリートを組み合わせた、強度と耐久性を持つ構造です。

●鉄骨構造(S造/Steel)
鉄鋼材の柱と梁を工場で加工して現場でつなぎ合わせていく工法です。部材を工場で加工しているため、製品が安定しています。

このように見ると、木構造建築は地震に弱いように思うかもしれません。また「マンションの方が地震に強い」という話も聞いたことがあるかもしれません。しかしながら、現実としてはどの構造でも同一条件においては地震に対する強さは一緒です。その条件とは、建築基準法の耐震基準を満たしていて、きちんとした構造計算を行い施工していて、耐震性能がずっと保たれるような建物であることです。

地震保険は被災後の生活に役立つのか

このように、地震に強い家を建設したとしても、巨大地震の被害を受けてしまう可能性はゼロではありません。地震の直接的な被害を受けなかったとしても、噴火や津波、火事が起こってしまうかもしれません。その際は、当たり前の話ですが修理が必要になります。この修理費を自費で賄うとなると、莫大な出費になってしまうことでしょう。

 

ここで強い味方になってくれるのが、地震保険です。すべての費用を賄うことは難しいのですが、地震保険金は生活補助のためにとても大きな味方になってくれます。建物が地震により全壊してしまうと、仮設住宅や賃貸住宅で生活をすることを余儀なくされますし、引越し費用や家財の購入費なども必要になりますが、それらは地震保険で賄うことができます。

大震災でも迅速に支払ってもらえるのが地震保険の特徴

先述した東日本大震災のほかにも、熊本地震や北海道胆振地震など大きな地震が発生している昨今の日本。今も多くの方が地震の影響を受けて、仮設住宅で生活しているという現実もあります。多くの建物に被害がたくさん出たということは、地震保険の申請も非常に多くありましたが、日本損害保険協会や各損害保険会社の特別措置により保険金は迅速に支払われました。大地震が発生すると、多額の地震保険金が必要になるのは誰でもわかると思います。民間の保険会社だけでは対応できないため、国も地震保険の運営に参加し安定的な保険金の支払いを実現しています。熊本地震では、地震発生から2ヶ月足らずのうちに21万件以上の受付が行われ、保険金支払額は2724億円という多額の金額となりました。

 

このように、地震保険は建物の建て替えの補助以外にも、被災後の生活を立て直すために必要な費用の資金源にもなるというのが大きな特徴です。火災保険と比較すると保険金額は少ないですが、地震保険に加入しておくことが地震に被災したときの生活の再建に一役買うといえます。

地震保険のメリットとデメリット

では、地震保険のメリット・デメリットはどのようなものなのでしょうか。

地震保険のメリット

地震の被害を補償してくれる損害保険は、地震保険のみです。この点が、地震保険の一番のメリットでしょう。また、民間会社だけではなく日本政府が再保険をして保険金を支払うという「再保険制度」が整備されているというのも、地震大国・日本ならではの手厚い補償といえます。

 

また、地震が発生すると様々な二次的な災害が起こるリスクが高まります。例えば、地震が原因の噴火や津波、火災による住宅の被害も補償してくれます。ちなみに、地震が原因の火災は火災保険では補償されないので注意が必要です。掛け金については、耐震性能の高い住宅の場合は保険料が割引されるなどの優遇措置もあります。

地震保険のデメリット

地震保険のデメリットとしては、火災保険とセットでなければ加入できないことが挙げられます。地震保険だけに単独で加入することはできないので、必ず火災保険とセットで加入することになるため、掛け金が少し高くなってしまいます。また、地震保険は火災保険の保険金額の半分までが最高補償額となり「建物は5000万円まで」「家財は1000万円まで」という上限が設定されているのも、地震保険の加入率を下げている原因となっています。

保険金の支払基準

地震保険の保険金の支払額は、実際の損害額に応じて決まるわけではありません、4段階の損害区分というものが定められていて、その区分によって補償額が決定します。そのため、被害の状況によっては実際の損害よりも少ない保険金しか受け取れないケースもあります。

 

この損害区分は、もともとは「全損」「半損」「一部損」という3段階で設定されていました。しかし、2017年1月に地震保険制度が改定され「半損」が「大半損」と「小半損」に分割されたため、以下の4区分へと変更されています。地震保険は、度々変更がある保険ですので、最新の情報を確認しておきましょう。

① 全損~地震保険の契約金額の100%が支払われるケース
土台や柱、壁、屋根などの主要構造部の損害額が時価の50%以上、焼失もしくは流失してしまった部分の床面積がその建物の延床面積の70%以上、損害額がその家財の時価の80%以上の場合は「全損」という区分になります。

 

② 大半損~地震保険の契約金額の60%が支払われるケース
土台や柱、壁、屋根などの主要構造部の損害額が時価の40%以上50%未満、焼失もしくは流失してしまった部分の床面積がその建物の延床面積の50%以上70%未満、損害額がその家財の時価の60%以上80%未満の場合は「大半損」という区分になります。

 

③ 小半損~地震保険の契約金額の30%が支払われるケース
土台や柱、壁、屋根などの主要構造部の損害額が時価の20%以上40%未満、焼失もしくは流失してしまった部分の床面積がその建物の延床面積の20%以上50%未満、損害額がその家財の時価の30%以上60%未満の場合は「小半損」という区分になります。

 

④ 一部損~地震保険の契約金額の5%が支払われるケース
土台や柱、壁、屋根などの主要構造部の損害額が時価の3%以上20%未満、建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水を受けて損害が生じた時に全損・半損に至らない場合、損害額がその家財の時価の10%以上30%未満の場合は「大半損」という区分になります。

 

鹿児島市の「安全安心住宅ストック支援事業」とは?

ここで、地方自治体を代表して鹿児島市の取り組みを紹介しましょう。鹿児島市では、既存の住宅の安全性を確保するために、良質な住宅ストックの形成を目指して、住宅の耐震診断や耐震改修工事、リフォームに要する費用の一部を補助する「安全安心ストック支援事業」を行っています。

 

●耐震診断
昭和56年5月31日以前に建築された戸建住宅において、耐震診断の費用の一部を補助します。補助されるのは費用の3分の2で、10万円が限度となっています。

●耐震改修工事
耐震診断の結果、耐震性が不足していた戸建住宅において、耐震改修工事の費用の一部を補助します。補助されるのは費用の2分の1で、100万円が限度額となっています。

●リフォーム①
貸家を除く、耐震改修工事などを行う戸建住宅において、耐震改修工事など同時にリフォームを行う場合の費用の一部を補助します。補助されるのは20%~40%で、限度額は20万円~40万円となっています。

●リフォーム②
貸家を除く、昭和56年6月以降に建築された耐震性がある戸建住宅や分譲マンション専有部分において、子育てや高齢者向けのリフォームの費用の一部を補助します。補助されるのは20%で、限度額は20万円となっています。



記事監修者紹介


【二級建築士】佐野 広幸
株式会社ゼンシンダンのwebサイト監修の他、一般社団法人 全国建物診断サービスの記事も監修。火災保険申請を利用した修繕工事を広める事により、日本の「建物老朽化」問題の解決に貢献。